最近、USTREAMで発信する座談会に出演したり、サーカスに関するトークイベントに出席したりと、「パフォーマンス」についての考えを話したり聴いたりする場に恵まれています。
私のまわりでは新しいものを創り出そう!というエネルギーが満ちあふれていて刺激的であります。幸せ。
新しいものを創り出す。今回取り上げる「教える」という仕事もそのような熱が必要な分野であり、これからどんどん発展させて行くべき分野です。みたらやってみたくなる方が少なからずいるのがジャグリング。
なので、実際、ジャグリングの露出が増えるのに従って、今後需要が増して行くことが期待されます。
ここでは私の体験を元にした「ジャグリング講師」という仕事を紹介します。
もっとも私の限られた経験の中でピックアップしていますので、偏りがあるかもしれませんが、ご容赦を。
「ジャグリング講師」として私が携わる仕事は以下のようなものがあります。
・カルチャースクールでの定期的な教室
・企業研修や学校行事でのジャグリング体験イベントの実施
・商業施設等で実施する体験イベントでのインストラクター
・個人レッスン
・タレント等への指導
カルチャースクールでの講座は定期的ですが、あとは単発もしくは限定された期間に実施するものがほとんどです。単発の仕事の取り方は、前回の「プロジャグラーの仕事 ステージ」にて触れたことを重複しますので、そちらを参考にしてみてください。
私の経歴をさかのぼると、ジャグリング講師としての私のキャリアは、ジャグリングの教則本「デビルスティック大全」を出版する機会に恵まれたところからスタートします。執筆の機会をいただいたのはまったくの幸運としか言いようがありませんが、その後に続いた現在までの足取りを思うと感謝してもしきれません。
「デビルスティック大全」を著した時(今から10年以上前!)から考えると、メディアの状況も大きく変わりました。出版にしろ、映像にしろ、製作コストはずいぶんと下がりました。「ジャグリング講師」としての名刺替りに、チュートリアルをリリースするのは、よいプロモーションになるでしょう。
カルチャースクールでは、受講生を惹きつける新規の講座を探しているところが少なくありません。自分の資料を手に、カルチャースクールを訪ねてみるのは、ジャグリング講師として一歩踏み出すのに、すぐに実践に移せる方法のひとつです。実際、私も直接話を持って行くことで、教室をスタートしましたし、そのようにして新規開拓もしました。一度教室を持つと、他の場所から声がかかる機会も増えますので、まずはひとつ教室を持つようにがんばりましょう。
ここで現実的な話を。
カルチャースクールでは、生徒を集める事がとても大切です。
ひとつには、せっかくカルチャースクールと協力して教室開設に向けて準備しても、生徒が集まらなければ開講できないことがあります。私の場合は、新規開講の準備をして実際に開講に至っているのは5割くらいでしょうか。(誰か効果的に受講生を集める方法があったら教えてください。切実。)
さらに、カルチャースクールで開講する教室の場合、講師料が受講生の人数に応じた歩合制であることが多いです。受講生の数が多ければ、問題ないわけですが少人数からスタートする場合も少なくありません。その場合収入は...仕事としてみるには厳しいですね、率直に言って。
カルチャースクールからの講師料だけで生計を立てるには、相当の営業努力と時間を費やす必要があるかもしれません。私は現在5つの教室を開講していますが、残念ながら、この講師料だけでは生活できていません。もっとも、これは単に私の才覚の問題であるかもしれませんが...
とはいえ、全国的にみてジャグリング教室も増えて来ているように感じます。ジャグリングを教えるノウハウ、教室を充実させてゆく方法、受講生をふやすための戦略等に関して、講師間の知識共有の場をつくることが、この先「ジャグリング講師」という職業を確立させるための第一歩として必要なことのひとつだと、私は考えています。
そのことでジャグリングを教える、というシーンがより盛り上がり、充実し、やがては副業的ではなく生計を立てる道筋のひとつとなって行くでしょう。
そんな場をつくろうとただいま企画中です。興味がある方いましたら、ご連絡ください。
「教える」ということだけでなく、ジャグリング周辺のことの多くはこれから創造して行かねばならないことが多いように感じます。冒頭で述べたように、ジャグリングの周辺領域では、今あちこちで、あたらしいものを生み出さんとする胎動が感じられます。
志を持ったひとがつながり、知識や経験、パワーをシェアすることでより楽しいシーンが生まれて行きますように。
ハードパンチャーしんのすけ
プロジャグラー。日本のデビルスティックのパイオニアとして、エンターテイナー、インストラクター、