プロとして活動して行くのに、「技術」の向上というのは、終わる事のない課題なのですが、どんな「技術」を向上させるか、というのは選択の余地のあることです。
すでにみてきたように「プロジャグラー」と一口に言っても、活動するジャンルは多岐に渡ります。
ステージ上でライトを浴びて生きて行くのか。
ストリートを中心にして自由な活動をするのか。
活動場所にしても、国内を中心とするのか、世界を意識するのか。
目線を変えると、教えることや、ジャグリングを紹介するような活動、さらに、道具を供給することでジャグラーの活動を支えることもできるかもしれません。
どれを選ぶのが正解というのは、もちろん、ありませんが、自分が「たのしい」と思えることを起点にして、何を選ぶのか考えるのが大切です。
「たのしい」がなければ、続きませんから。社会との距離感をはかりつつ、自分の「たのしい」を形にできたらよいですよね。
現在、私は「ジャグリングで社会のたのしい!を増やす」ことを目標に活動しています。そして、その活動は「パフォーマー」「ジャグリング講師」「イベントプロデュース」という3つの柱によって支えられています。
このような柱ができた過程を振り返ってみましょう。
スタートは「パフォーマー」でした。
当時大学院の研究室に所属していた私は、「自分の持っている技術を活かす」ことで生計を立てることを始点に未来を考えました。
学問の道を歩む、というのが一番真っ当な方向でしたが、考えれば考える程に「ひとにたのしいを提供する」ことに魅力を覚えました。
そこで大学院を休学し、パフォーマーの道に進みました。私は、目の前にいるひとと時間を共有できる「大道芸」という形が好きでした。
今でもここが私の原点ですし、これがあったから、今まで変わらずに「プロジャグラー」として活動できています。
さらに「たのしい」を掘り下げてみると、自分がジャグリングを覚えたときの興奮、ジャグリングを通して得た体験が根っこにあります。
ならば、「ジャグリングを通して得られること」を伝えたい!と思うのは、自然な成り行きでした。
自分が設立したジャグリングクラブなどの活動を通して、「教える」という経験もすでにあり、そこで感じたことが大きな要因になっていたのかな、と今から振り返ると思います。
そして、「イベントプロデュース」。
子どもの頃、何かを流行らせるのが好きでした。みんながまだ注目していなかったものを、みんなに紹介し、流行らせる。
一度流行ると、中には強烈な収集癖のある友達がいたり、そもそも財力に欠けていたので(笑)、友達にはかなわないのですが、自分が目をつけたものが広がって行くのをみるのは、快感でした。
そんな背景もあり、たぶん、何か自分で何かを思いつき、あるいはみつけ、それを世の中に出して行く作業が好きなのだと思います。
自分の適性というと難しく聞こえますが、答えはすべて自分が歩んで来た道の中にあります。
ジャグリング×あなたの人生。遠くを見つめるのも大切ですが、自分にすでにあるものをみつめることで、自分らしい活動の道が見えてくるでしょう。
あなたの「たのしい」は何ですか。
ハードパンチャーしんのすけ
プロジャグラー。日本のデビルスティックのパイオニアとして、エンターテイナー、インストラクター、