数年前に比べて、ジャグリング人口は急激に増えているように感じますが---
(実際のところ、日本のジャグリング人口は、現在どれくらいなのだろう?)
さて、ここで問題です。
ジャグリング人口が増加している要因は何だと思いますか?
ちょっと考えてみてください。
私は、ジャグリングの道具が気軽に手に入れられるということだと思います。
YouTubeなどでジャグリング動画が気軽に観られる、というのは、ひとつ大きな要因でしょう。公園で練習していると、ジャグリングができる小学生に出会う事がたまにあります。
そして、話をきくとだいたいの場合、インターネットで動画をみて自分で練習している、という答えが返ってきます。
興味をもったら、情報がすぐそこにある、というのはとても大きいですよね。
しかし、情報が手に入るだけでは、ジャグリングはここまで広がらなかったでしょう。
質の良い道具を気軽に手に入れることができて、すぐにジャグリングがはじめられる。
そういう環境があってこそ、ジャグリングの人口は増え続けているのではないでしょうか。
私がジャグリングをはじめた頃は、ジャグリングの本格的な道具を手に入れよう、と思ったら、海外のジャグリングショップに注文する他ありませんでした。
ジャグリングをはじめて1年くらい経ったころ。井の頭公園でシェーカーカップで遊んでいる大道芸人さんがいました。
当時は名前がわからなかったのですが、今思うと、それはMr.Daiさん。
そのときは予定もあり、通り過ぎてしまったのですが、シェーカーカップが強烈に目に焼き付きました。それがジャグリング道具のラインナップにあるものとは思わず、、、
後日、数日に渡り雑貨店などをめぐって同じようなコップがないものか、歩きまわったものです。
しばらくして、海外のジャグリングショップのカタログを眺めていたら、商品の中にシェーカーカップが!すぐに注文しました。。。と、言っても、届くのはほぼ一カ月後。
まわりにシェーカーカップをやっているひともおらず、手元に届いた物珍しい道具をみんなで研究したのを覚えています。
今では、そんなシェーカーカップが持ちネタのひとつになっているんだなぁ、とこの原稿を書いていて感慨深いです。
---と、まぁ、そんな状況でしたので、ちょっとやってみようかな、というような軽い気持ちではじめるには、ジャグリングはハードルが高過ぎました。
ですから、圧倒的な品揃えでプロユースのジャグリング道具を販売する「ジャグリングショップ・ナランハ」が創業されたのは、実に画期的なことでした。
そして、今では後続のジャグリングショップや、独自のジャグリング道具を製造販売する方も増え、ジャグリング道具を購入する際の選択肢も徐々に増えています。
ジャグリング道具の開発・製造・販売は、ジャグリングの裾野を広げ、ジャグリングの頂きを高くする重要な仕事なのです。
ジャグリングの道具が手に入ることが重要な例をもうひとつ。
山口県には、ストークバム、というジャグリングクラブがあります。
「ストークスティック」という商品をきいたことはないでしょうか。このストークスティックは、このストークバムで開発・製造されました。
ストークバムに招待をいただき、山口県を訪れたことがあります。
そこでは、たくさんの小学生がレベルの高いストークスティック技術を持っていることに、とても驚きました。
きくと、ストークスティックを携えて、あちこちの小学校やイベントで普及活動をしているとのこと。
ジャグリングは道具がないとできません。自分で道具を提供できる事が、山口でのジャグリングの普及に一役買っているのは確かでしょう。
このように、ジャグリングの普及と道具の供給は、切っても切り離せません。
「ジャグリング」を職業とする、と考えたときに、これからジャグリング道具の製造販売業は、もっともっと重要さを増してくるでしょう。
自分の好きなジャグリングがあったら、理想の道具を求めて道具を開発してみる、というのもたのしいかもしれませんね。
かくいう私は、デビルスティック作成のために、旋盤を購入するのが夢です。今すぐという訳ではありませんが、老後は一日中工房にこもってデビルスティックをつくって過ごす、なんていうのもたのしいかも。
ちょっとした人生プランのひとつです。
ハードパンチャーしんのすけ
プロジャグラー。日本のデビルスティックのパイオニアとして、エンターテイナー、インストラクター、