ジャグリングは儲かるのか。
気になりますよね。
すんごく儲かってウハウハですがな!
...と言えたら景気のよい話ですが、うーん、正直に言ってどうでしょう。
出演料は、活動する場所や、出番時間などの条件、キャリアや各人の価格設定によっても金額は変わります。
一般の方が出演のオファーをした際にギャラを聞いて高いと感じるか、安いと感じるか?
感じ方は様々かと思いますし、実際にショーを見る前と後では、全く違うでしょう。
この満足感を向上させるのは個々の努力に尽きますし、例えばいくら払っても呼びたいひともいれば、無料でも嫌だよ、と思われてしまうのがショーの世界。
そこはシビアです。
それはさておき、逆に、ジャグラーの生活、という側面からみてみましょう。
会社に勤めると、だいたいは保険やら税金やら、会社が納めてくれます。
実はこれ、ものすごく有難いこと。
芸能事務所などに所属して給料をもらって、というとまた別でしょうが、現状では「ジャグリング」で生活する、ということは、ほぼフリーランスで活動するというのと同義でしょう。
自分で確定申告をして、それに従って保険料が決まり、税金が決まり、、、この額はなかなか重荷、というのが私の率直な印象。
それを踏まえ、さらにフリーランスとして将来の確証がない中、どれだけ稼がなくてはならないか。
次から次へと現れる高いジャグリングスキルを持ったジャグラーたち。
そして、ピークを越えたあとに落ちて行く体力。
稼げる時に稼ぐのが、芸事の稼ぎ方ですが、それを思うと、若いうちに同年代で会社勤めをする方々と同じだけ稼いで満足してはいけません。
確固とした計算をした訳ではないですが、生涯収入を考えるとからだが効く若い時、つまり稼げる時に同年代の倍は稼ぐ必要がある、というのはよく聞く話です。
...と続けてくると、余程の自信があるひとでない限り、何だか暗い気持ちになってきますね。「これで生きて行く!」という覚悟がないならオススメしないのも確かです。
では、シビアな現実ばかりで希望はないのか。
私は「ジャグリング」というエンターテイメントが業界として成熟していないからこそ、これから経済的な意味でのチャンスはたくさんあると思います。
「ショーをする」というだけでも、まだ開発されていない場所がまだまだあるかもしれない。
さらに「ショーをする」という制限を外せば、もしかすると、もっと活動の場所がひろがるかもしれない。(その可能性は、すでにこのコラムで触れました。)
ジャグリングという「業界」を拡張することが、「ジャグリング」を職業とする可能性に繋がって行きます。
ジャグリング業界を拡張して行くためには、
・ジャグリング人口を増やす。
・ジャグリングの著名人を増やす。
・ジャグリングのよい作品がひろまり、評価される。
...などなど、そう言ったことが、第一段階で必要でしょう。
その先にさらに可能性がある。
このコラムを読んでいるジャグラーの方々には、どんどん自分のジャグリングをアピールして欲しいな、と思います。
私自身、まだまだ試行錯誤の途中でありますが、より大きな未来に思いを馳せつつ、このコラムを書いています。
ジャグリングが大きな市場になる。
そんな未来、たのしくないですか。
ハードパンチャーしんのすけ
プロジャグラー。日本のデビルスティックのパイオニアとして、エンターテイナー、インストラクター、